
「人」に関わる問題解決のプロフェッショナルであるザ・アールでのプロジェクトの紹介です。
彼の仕事はクライアントの抱える「人」に関わる問題に対して解決方法を提案することだ。新規のクライアントに対してヒアリングを行い、ザ・アールの持つ様々なソリューションを軸とした解決策を提案する。その提案が受注されると金額の調整、契約関係の手配から、派遣するスタッフのシフト管理など、現場の立ち上げ及びサービスが安定するまでの全体調整を行う。全体調整後は、現場のオペレーション担当に引き継ぎを行うというようにプロジェクトを進める。
鉄道会社A 社では、新しいサービスである「チケットレスカード(仮名)」サービスの提供を計画していた。
これは特急列車へのスムーズでスピーディな乗車を実現するために、携帯電話やパソコンを利用して、事前にネット予約をすると、改札機に「チケットレスカード」をかざすだけで、切符なしで乗車ができるサービスだ。
今回のプロジェクトは、この「チケットレスカード」の周知と操作方法の案内を、首都圏主要5駅の特急改札口付近を中心に行うことだった。
何回かクライアントと打ち合わせを行い、サービスのアウトライン、金額や契約内容の大枠などについて合意が得られ、結果的にはこのサービスの立ち上げにザ・アールが携わることが決まった。
クライアントとの打ち合わせの中で、特急列車への乗り換えが様々な規格の切符で行われるために、改札口付近で戸惑われるお客様が多いということも分かってきた。これは今回ザ・アールに対する依頼と直接関係しないが、「チケットレスカードの周知」に加えて、「スムーズにお客様を改札にお通しすること」も本プロジェクトの課題となった。
「お話を頂いたのがサービス開始の2 ヶ月前でした。2 ヶ月というと、結構時間があるように思われるかもしれませんが、単純に案内係を配置すれば良いというわけではありませんので、目一杯大変でした。結局、要件定義にはサービス開始の直前までかかりましたし、携わって頂くスタッフの方の募集や研修、契約手続きやその他のやりとりなどがあり、正直時間はいくらでも欲しかったです。」
プロジェクトに関わったメンバーは8 名。
プロジェクトの中心で予算管理から契約関係まですべてを統括するプロジェクトマネージャー1 名、プロジェクトの実行を行い現場の責任者であるプロジェクトリーダー1 名、そしてプロジェクトリーダー同様にプロジェクトを実行させるために各駅で中心となるメンバー5 名、メンバーのアシスタント1 名がアサインされた。
プロジェクト開始当初、彼はプロジェクトリーダーとして参加していた。しかし、先任のプロジェクトマネージャーが、途中でプロジェクトを外れることとなり、急遽、彼があとを引き継ぐことになった。
「クライアントとのやりとりは最初から行っていたのでコミュニケーションで困ったことはなかったのですが、今回のようなプロジェクトでプロジェクトマネージャーの経験がなかったので、考えながら走るという感じでした。
今回のプロジェクトの場合、準備も実施期間も短めだったので、プロジェクトマネージャーといっても、全体的な運営以外に、すべてのことを他のプロジェクトメンバーと一緒にやっていました。私自身が現場に立ってご案内していることもありましたし、なりふり構わず、なんでもかんでもやっていましたね。」
彼は実際のオペレーションにも参加していた為、現場の難しさについてもかみしめていた。
「緊急時の連絡が一番難しかったですね。今回のプロジェクトではシフトを組んでいましたが、朝早くから夜遅い時間まで、長時間ご案内の業務を行っていました。クライアントにご相談したい内容が発生しても、時間帯によって、直接のご担当者様と連絡が取れないことが結構ありました。結果、事後報告となってしまうことも多くて、たくさん報告書を書きました。また、鉄道会社さんだからなのだと思いますが、持ち場や役割分担なども厳しく決められている部分もあり、対処上戸惑うことが多かったです。特に今回ザ・アールに対する依頼は、クライアントの新サービスに関わるものではありますが、鉄道運行上の業務とは性質が異なる部分でもありますので、通常業務に少しでも邪魔にならないよう注意しながら、各駅の社員の皆様とコミュニケーションをとらせていただき、なんとか進めることができました。」
駅に派遣されるスタッフは1 日120 名。要件を定義していく中で、常時スタッフを配置するためには最低でも約200 名のスタッフが必要になることが分かってきた。
ザ・アールに登録して頂いているスタッフに声を掛けることはもちろんのこと、このプロジェクトのために大規模なスタッフ募集を新たに行った。しかしながら、プロジェクトには予算があり、なりふり構わずいろいろな媒体で募集をかけるわけにはいかなかった。
限られた予算内で最大限効率よく募集するために、募集対象とあわせて広告の費用対効果を検証し、新聞とWEB に絞って募集を行った。
「どれだけ準備してもこれだけ人数を集めなければプロジェクトは成り立ちません。それは大変プレッシャーに感じました。そこは本当にむずかしかったですね。」
今回のプロジェクトではスタッフの人数を集めることが前提条件ではあったが、募集する上で好条件が揃っているわけではなく、朝7 時から夜9 時までという時間枠での仕事であり、かつ交通機関であるために一斉の休日がないというものでもあった。働く意欲の高いスタッフが集まりひと段落したが、その後も新たな問題が発生した。
「色々なご経験、お考えを持たれた方がいらっしゃいましたので、こちらが『~をやってください』と単純にお伝えするだけではなかなか届かないんですよね。当初のお仕事内容で変更があった時にはなおさらでした。一緒に仕事をするようになって日も浅いということもありますので、やむを得ないのですが、なにか変更が発生した場合には、その定義と理由を伝えて皆さんに納得してもらえるように意識しました。また、就業が決まった後にお仕事内容についてご相談頂くこともありましたが、ひとりひとりのお話を聞いた上で丁寧に説明をして納得してもらえるようにしました。」
ようやく派遣スタッフへの研修が始まった。マナー研修や接客研修はザ・アールの通常の研修を受講してもらい、プラスしてプロジェクト独自の研修やクライアントから「チケットレスカード」の詳細の機能などの説明を受けるといった研修まで、一通りの研修をスタッフ全員に受講してもらった。
しかし、研修の準備段階でも予測できない問題があった。
それは、スタッフの配置の仕方と動き方を検討する際に不可欠な駅の見取り図がないことだった。
「駅は公的な場所なので見取り図を簡単にもらうことができなかったんです。なのでプロジェクトメンバーが現地に赴いて下見をして地図を作りました。また、下見の際に取材をして与えられたスタッフの中で、どうすれば効率よくお客様をご案内することができきるのかということは考えさせてもらいました。」
このような困難があった中でも、彼らにはプロジェクトで実現したいこだわりがあった。
それは高品質な接客を提供することだった。
「普段、クライアントの現場の社員さんでも行っていないような親切丁寧な接客を徹底して行いました。この点は現場に立つスタッフにも周知徹底しました。クライアントもその点はザ・アールに期待していた部分だったと思います。」
約200 名のスタッフに高品質な接客を実現させるために、研修には手を抜けなかった。
業務研修(知識研修)は50 名ずつ3、4 回行い、接客研修に関しては20、30 名程度で約10 回ほど行った。またそれに加えて、切符の受け渡し方などの細かいサービスが接客レベル向上には必達であるとのことから今回のプロジェクト独自の研修が行われた。
「プロジェクトの成果としては、チケットレスカードの加入が大幅に促進されたというお話を聞きました。また、接客面で評価をいただいて、各駅の現場担当者から案内業務は引き続き担当してほしいというお話がありました。切符は意外と難しくて、同じ鉄道会社でもいろいろな規格の切符があるんですが、それをザ・アールのスタッフが熟知して案内がスムーズにできていたとのことでした。ただ、予算面の都合がつかず、継続が叶わなかったのが残念です。」
このプロジェクトで身に付いたスキルについて、彼は次のように語っている。
「今まで一営業担当として、自分のクライアントだけ、一か所だけしか見ていなかったものを、全体を通してみることができるようになったというのは非常に勉強させていただいたところです。視野は本当に広がりました。なおかつ派遣スタッフの人数が非常に多く年齢層も幅広かったので、いろいろな方とのコミュニケーションの取り方などに関しても勉強させていただきました。」
また、今後のビジョンについて、彼はこのように語っている。
「現在は新規開発がメインなので、クライアントのご要望に対して、こうしたほうがもっとよくなるというご提案をさせていただいておりまして、既存のものを良くしていくというよりも、新規のまっさらな状態の真白なキャンパスの中に自分の絵を描けますので、非常にやりがいを感じています。ですので、このようなプロジェクトは、また機会があって依頼があればやりたいと思っています。
今回プロジェクトマネジメントを行いましたが、今後きちんとマネジメントを学んで現場で生かしていきたいと思っています。また弊社の社長が『マネジメント=経営』ということよく言っていますので、将来的には経営をやっていきたいと考えています。今回のようなプロジェクトに関わることは将来のマネージメントにもつながっていると思っています。」
当社はあまり既存の概念がないので、自由にいろんなことを形にすることができる会社です。何か自分の中でやってみたいことがあれば実践していただければそれが本当に形になる会社ですので、そういった方は是非応募していただいて、実践してほしいと思います。
「クライアントとは以前から取引をしており、『今回は大規模にやりたいがお宅でできないか』というお話をいただきました。クライアント側から声をかけて頂けて、本当にありがたいと思いましたが、大規模という言葉に少し不安もありましたね。」