人の自己実現と働きがい向上をサポート。如是我聞 人材の総合コンサルティング&プロデュースを手掛ける、ザ・アール代表取締役奥谷禮子の連載コラムです。

何か大きな地殻変動

2009/07/01

マスゴミ

●スタバからマックへ
 青山のあるお蕎麦屋さんでのこと。最近、人気の1300円の定食が振るわず、単品で500円くらいの物が出るようになったという。まわりは一流企業が軒を連ねているような場所だが、派遣が切られ、中高年がリストラに遭って、正社員OLが客の中心になりつつあるそうだ。
 スタバからもおじさんはドトール、マックと撤退していると聞く。おじさんの帝国といわれる居酒屋、ホルモン系飲み屋さんにも若い女性が進出しているともいう。
 何か大きな地殻変動が起きている、そういう予感がする。

●和風シリーズ
 この欄でときおり茶事のことを書くが、人を招く場合、半年前から準備をしないと十分な応対ができない。
 それをパーフェクトにこなす英国人がいる。青山に住んでいて、よりいい環境を求めて京都に、桂離宮を模して京町屋を改装、茶室を設けた。
 彼はもと金融マンで、40代で引退、あとは趣味人の道を選んだ。オクスフォード大で原文で『源氏物語』を読み、いまは天皇の宸翰(直筆の文書)を読むため追加のトレーニングをしているそうだ。
 故事来歴を語りながら手元は流れるようで、5時間の濃密な時間があっという間に過ぎた。
 その茶会で刺激を受けたのか、新内、地唄舞、歌舞伎と立て続けに和物の催しに足を運んだ。どっぷりとジャパネスクである。

●やる気が一番
 私の会社に全盲の若い男性がいる。ラッシュアワーに千葉県から2時間かけてやってくると言う。会社に迷惑をかけてはいないか、それがいつも心にあることだと言う。
 私は翻って、派遣切りにあって、農業は臭いから嫌だ、介護は辛そうだからオミットする、なれた製造業に戻りたい―――そして結局、国に泣きつく若者のことが思い出される。甘えるのもいい加減にしろ、と言いたくなる。
 法や制度の過ちや未整備を放っておけと言っているのではない。まずは自分のやる気が一番じゃないのか、と言いたいのである。

●割安高速の問題点
 土日の高速道を1000円にしたのはいいアイデアだったか、疑問に思う。盆暮れの帰省ラッシュのような渋滞が発生して、何時間も車の中に閉じ込められた人々は、もう二度と利用するものか、と口をそろえる。
 実は、料金を値下げした分を税金で補填していることは、ほとんど知られていない。それに渋滞で排ガスの影響もある。
 私は経済活性化のためなら、トラックなどに限って曜日を問わず割安にするほうが、ぐっと効果があるのではないかと思う。安く運べば安く売るところも出てくるはずで、税金による補填も国民は許してくれるのではないか。

●大胆な少子化対策
 日本も出生率が悪いが、韓国、シンガポールも引けを取らない。シンガポールの少子化対策は、ベビーボーナスの支給や産休・育児休暇の拡充、不妊治療の無料化など、多面的に進めている。ひとが財産の国で出生率が低い(03年に1.25を記録)のは致命的である。同国は年収に関係なく、公立の教育費は無料である。
 日本の少子化対策は、どれも目を引くものがない。かなりドラスティックなことが必要なのではないか。
 定額給付金で1.6兆円もムダにばら撒くなら、100万人の新生児に200万ずつで2兆円を支給したほうが、将来を見越した政策として評価されるのではないか。その場合、嫡子ばかりか庶子にレンジを広げてはどうか。それと、年収500万円以下は公立教育は無料にする、というのもあわせて行うのである。
 外国人受け入れ枠の拡大も一方で進めながら、新生児誕生を促すのである。

●空騒ぎ
 新型豚インフルで日本中が大騒ぎのとき、ニューヨークではマスクをしている人たちが珍しいくらいだった。イギリスでもほとんどニュースにもなっていなかった、という。
 北朝鮮のミサイル発射も、マスコミが騒ぐだけ騒いで、あとに何が残っただろう。
 世の中の出来事を冷静に検証し、知恵を残すのが役目のはずが、それを放棄している。ひとは"マスゴミ"と言うが、いたくわかる気がする。


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