人の自己実現と働きがい向上をサポート。如是我聞 人材の総合コンサルティング&プロデュースを手掛ける、ザ・アール代表取締役奥谷禮子の連載コラムです。

傑作誕生? 車が出てくるまでスクワット

2008/11/01

●納税意識
 自民党の総裁レースで誰一人サブプライム問題に真剣に触れる者はなく、なんとのんきなことよ、と思っているうちに世界中が大衝撃に見舞われた。
アメリカ下院が70兆円の金融安定化法案を否決したとき、税金を自己申告する国の納税者意識の敏感さを思ったものである。
否決の背景として、選挙が近いとか、高給取りへの反感だとかも指摘されたが、基本にあるのは納税者意識の先鋭さだろうと思う。
結局、法案は陽の目を見たが、これからも国民の激しい目を意識した施策をとらざるをえない。
国民が何でもお上まかせにするどこかの国といかに違うことか。
 
●誰が得したか
 総裁選で誰がいちばん得をしたかと考えると、私は石破茂氏ではないかと思う。
細かい軍事オタクのイメージが強かったのが、唯一、大きな国防問題の視点からものを言ったのが、印象的だった。これを機につねに総裁レースに顔を出す人物になるのではないか。
 
●女房と相談
  かつて文部官僚が贈収賄が発覚し、身の振り方を問われたときに、「女房が、女房が」と答え、失笑をかったことがあった。
今回スピード辞職した中山国交相も「出処進退は自分で決める」と言いながら、そのあとで「女房と相談する」と口にした。
そもそも自分のことを自分で決められない人は大臣になるべきではないし、いかにも国士風なことを言うのもチグハグである。
 
●豚に口紅
 オバマが「豚が口紅を塗っても豚は豚」と発言したことがペイリン批判、女性差別だというので物議をかもしたものの、それほど大事に至らずに収束したようだ。
私はこのニュースを見たとき、本当に腰を抜かしそうになった。ポリティカル・コレクトネス、しかもフェミニストの厳しい国で、考えられない発言だと思ったからである。
2、3人の人にも訊いてみた。なぜそれほど大事にならなかったのか、と。はかばかしい答えは返ってこなかった(彼我で豚のイメージが違う?)。 誰かうまくこの件を説明してくれる人はいないだろうか。
 
●芸術の秋
 9月末の2週間のこと。吉衛門の歌舞伎を見て、新日本フィルに行き、相撲を観戦し、ムーティ指揮のウィーンフィルに足を運んだ。
まさに芸術の秋到来である。
ただ、一つ気になることがある。コンサートのあとの、あのカーテンコール、アンコールのしつこさである。本当にいい演奏であれば拍手をしたくなる。それに、十分に演奏を堪能したのに、もう1曲、もう1曲とねだる気にはなれない。
演奏家によっても違うのかもしれないが、NYメトロポリタンでは、演奏が終われば明かりがパッとつくことになっている。
お義理のアンコールねだりを見ていると、主催者側にはそういう配慮も必要かもしれない、と思う。これは私だけの感懐だろうか。
 
●傑作誕生?
 芸術ついでに、独学ながら、絵がプロはだしの知人の話をしよう。
彼は、いつも描きながら、なんと自分は天才なんだろう、と思うらしい。ところが、しばらくして見ると、なんと凡庸な、と興が醒めるらしい。
そして、気がついたのである。絵を描くときは、シンナーで朦朧として、実体以上に良く見えていたのだ、と。部屋が狭いことも一因だ、と。
彼はこれから別荘を建て、そこに広い画室を用意するという。さて環境が改善されて、傑作が生まれればいいが。
 
●体力維持に必死
  前にも書いたが、来年の9月にまたしても国立大劇場で踊りを披露することになっている。
50歳を超えてから、体力の向上どころか保持するのもいかに難しくなったことか。
私は、新幹線のホームへの階段を走って上る。駐車場でクルマが出てくるまでのあいだ、スクワットをする。
体力なしには、来年の踊りの披露は適わないからである。ひとの目をはばかる時間がない。


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