人の自己実現と働きがい向上をサポート。如是我聞 人材の総合コンサルティング&プロデュースを手掛ける、ザ・アール代表取締役奥谷禮子の連載コラムです。

青年は心を離すな サリン被害者

2006/10/01

●国の犠牲
 オウム麻原への死刑判決が出るのが、遅すぎた。それにしても、地下鉄サリン事件は死者12人、重軽傷者5510人の大事件なのに、国の補償は皆無に近いという。今度の内閣は拉致問題を国家マターでやっていく所存らしいが、オウム被害者には何もしないで放っておくのだろうか。天災被害者に補償しないのと同じだと言うが、これは国家を狙ったテロではなかったのか。拡大して考えれば国家の犠牲者と言えなくはない。どこからもそういう議論が出ないことが不思議である。
 
●あら、お利口さんね
 今度の首相は教育が政治テーマの大事な1つだという。何を目指しているのか不明だが、私は「利口」を本来の意味に戻す教育が欲しい。
トンカツ屋で食事をしているときに、常連らしい母娘がお勘定をした。小学生高学年らしき娘が、「ごちそうさまでした」と挨拶すると、店のお婆ちゃんが、「お利口さんね」と褒めた。そうなのだ、昔は「利口」はこう使ったものなのだ。「利発」にも似た意味があった。ただ頭がいいでは褒められなかったのである。
 
●ある格言
  おばさん3人の話が耳に入ってきた。「幼児は手を離すな。少年は目を離すな。青年は心を離すな、って昔は言ったものよね」。いい言葉である。シュレッダーで指を切った子供のニュースを聞いたとき、この言葉を思い出した。気の毒な話ではあるが、なぜ子供に厳重に注意を与え、保護下に置いていなかったのか。製造元を非難する前にそのことを思う。
 
● 幸せな人々
 世論調査をすると、フィリッピンでは8割の人が「自分は幸せ」と答えるそうである。私の知っている人は、3畳の部屋に住んで子供が3人、養子がさらに3人、風呂はないがトイレがあるから幸せと言う。   
彼らのホスピタリティの細やかさには驚かされる。タイ人もそう。あの明るさは貴重である。ぜひたくさん日本に来てもらって、元気に働く環境整備をしたいものである。
 
● 平日にシニアの群れ
 平日の午前にある美術展に行ったところ、押すな押すなの人だかりでびっくりした。神宮のゴルフの打ちっ放しも、平日なのに朝から一杯である。ああ、これからは、図書館、美術館、博物館、どこもかしこもシニアに占領されるのだ、と慨嘆したものである。
 会場では人の流れを止めて、絵の解説をしている男性シニアを何度か見かけた。ああ、人の能書きを聞く機会も増えるのか、と慨嘆したものである。
 
● トム・ファンド
 子供の頃、TV「ミッション・インポシブル」を熱心に見たものだ。数人で敵をだます仕掛けが面白く、中で使われる器機も先端の匂いがした。トム・クルーズもMIファンで、とうとう自分でプロデュース・主演までしてしまった。今度のm・i・IIIは抜群の面白さで、息をつがせぬとはこのことか、というデキである。トム・クルーズ・ファンドというのがあるという。彼に投資すれば、必ずやヒット作でお返ししてくれるだろう・・・そう読んだ人たちがたくさんいたということである。何となく分かる話である。次回作も楽しみである。
 
● 境界なし
 初老のタクシー運転手が、最近の若い女はヘソ出し、胸出しで、あれじゃ男はどうにかなっちゃいますね、と嘆いた。
 不況になると、とんがったファッションが流行るというが、私には夜の世界が昼の世界に侵入してきたようにしか見えない。テレビでも女性大学教授が着物を玄人風に着て、金正日はどうしたと眉を吊り上げている。素人、玄人の境がなくなったのである。
 
● 男子に厨房がよく似合う
意外なことに、江戸時代の武士はマイ包丁を持っていたという。平安貴族の男子は御簾のかげで料理を振る舞い、女性は飲んで騒ぐだけだったとか。
 室町時代の来日宣教師フロイスは日記で、日本の女性がよくお酒を飲むことに驚いているそうである。その時代、ヨーロッパでは女性にワインは禁じられていたからである。
 私は最近、めっきり飲めなくなった。日本女性としては異端ということになりそうだ。


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