学生も大学も夢を失っている 信義の問題
2004/01/01
●語る力がない
大学の先生と話していて、いまの学生に語る力がない、という話になった。それはそうかもしれないが、入試問題の作成を大手受験塾に頼むくらいだから、大学自体にも語る力がない。
語るは「騙る」だと言う人がいる。確かに、「語り」に幾分かは人をたぶらかす夢が混じっていないと、人を引きつけない。「語れない」ということは、学生も大学も夢を失っている、ということではないか。
●明快な人
景気が上向きそうだという観測がしきりである。電子家電が牽引役だそうだ。
キャノンの御手洗富士夫社長の話を聞く機会があった。勝ち組の筆頭と言われる会社である。
アメリカに23年いた人だが、日米のいいとこ取りをして、経営をしていると公言している。キャノンには2万3千人の社員がいて、役員は約20人。千倍の競争に打ち勝たねばならない。企業も個人も横並び意識が停滞の大本だが、こういう競争が社内にあってこそ活気が違ってくる。
結局、日本経済を明るくしたのはこういう人なのだ、と実感した。
●虐待
母が子を虐待する事件が相次いでいる。母親には母性本能があって子を守るのが常識などというのは、通じない話になった。
人間は学習しないと子育てができないし、感情さえ学習なのだという。
小さい頃から虐待を受け、部屋に監禁されていた子は、親から顔の表情を学べなかったので、感情を表すことができない。
しかし、と思う。虐待する母親は、子をお腹の中に入れていた十月十日の間に愛情を育むということはなかったのだろうか。それさえも学習なのだろうか。
●イラクへ
イラクへの自衛隊派遣の是非については、専門家の間でも意見が分かれる。確かにイラク全土が戦闘地域と言っていい状況で、自衛隊を出すことで余計に混乱の種を増やすだけだとの意見がある。国連主導に戻してからやるべきだとの意見もある。アメリカに追随するだけで、独自の外交がない、という批判もある。しかし、おおむね抽象論ではなく、現実的な選択肢をめぐって議論をしているように見える。
私は小泉首相がブッシュ大統領に派遣を明言した以上、約束を実行するのが同盟国のやることだと考える(最初から批判的なら別だが)。自衛隊もふだんから訓練を重ねて来ているはずで、危険地域であっても対応はできると考えていいのではないか。
イラクの人たちが本当に望んでいるのは雇用だという。企業誘致の可能性も探り、復興の実を上げれば、日本の存在価値も上がるだろう。
●必死の対策
社会保障論議がかまびすしく、負担を上げる方向ばかり論議されているが、国民負担率を下げて、消費活動に回したほうが、税収が増えて結果いい、という意見もある。
よく負担世代の減少が言われるが、高齢者を働かせたり、移民を入れる話が出てこない。
あるいは、人口が7千万、6千万になった時も相変わらず高齢者の比率は高いのか。
何か画期的な健老薬が発明され、下手をすると若者より元気な老人が多数を占める時代が来ないとも限らない。
みんなが高齢化を恐れている。なら、その対策を必死に考え出すべきではないだろうか。
●転職?
久しぶりに年末に日本にいて、何人かと年越しパーティーをやりながら、ボブ・サップ対曙の試合を見た。私はある人と賭をした。第1ラウンドで元横綱は倒される、と。ものの見事に的中したわけだが、同じ闘い系のスポーツだから転身と考えた曙の甘さが痛かった。
