楽観的なことは言えないなあ 難しい実力高齢者の処遇
2003/11/01
●実力高齢所の処遇
自民党では比例区単独候補の定年を73歳と定めていることから、今回の選挙で宮沢喜一氏と中曽根康弘氏を公認しないことに決め、2人も前後して出馬を断念した。
大勲位中曽根氏は最後まで未練たっぷりで、高齢実力者の処遇は悩ましいことである。
宮沢氏は首相の勧めに素直に従い、中曽根氏は不満たらたらであった。これは一国の首相をどう見るかという違いでもあり、少なくとも中曽根氏は自らのポジショニングを間違ったとしか思えない。
これだけの実力者になれば議席があろうがなかろうが関係ないはずで、あえて固執するところに老害の臭いがする。
せっかくなんだから定年をきりよく70歳まで引き上げてはどうなのか。そうなれば若いうちから立候補して実力を磨く人間が増えるのではないだろうか。
●辞めない理由
日本道路公団の藤井総裁が土壇場で反旗を翻している。この人はあの悪名高いアクアラインを作った人で、私などそれだけで辞職理由に十分な気がするが、本人は「何も悪いことをしていない」と辞めない理由を弁明している。
子供じゃあるまいし、「悪さ」をしていなければ「いい子」とは言えないはずである。「よきに計らえ」が命令になることだってある地位の人だ。
それにしても、時の大臣が軽く扱われたものである。官僚の力が強いのか大臣の地位が軽くなったのか、私には分からないが。
●活況を呈するNY
ニューヨークへ3泊5日の仕事で行ってきた。グランドゼロは観光客でいっぱいで、ホテルはどこも満杯で、夜のレストランも同様である。
高級デパートのサックスやバーノルド・グッドマンなども人でごった返していた。実際に買い物袋を下げた人が多く、日本のように人は集まってもみんな手ぶらというのとは大違いである。
サックスがやっている買い物システムが心憎い。たとえば300ドルの買い物をすると75ドルのバックがある。1000ドルだと175ドルのバックである。つい次の商品に手が出て、買い物袋が増えることになる。
私は朝早く起きて、ホテルのコーヒーラウンジでぼーっとしているのが好きである。ニューヨークの景気の良さを肌で感じながら、至福のひとときを過ごしてきた。
●危機管理、甘し
人身事故で電車が止まるのにはある意味で慣れっこになってきたが、リスク対策がどうなっているのかと思うことが多い。
人は事故や事件が起きた最初に的確な情報を欲しがるものである。その第一次情報だけで30分はもつはずである。ところが、待てど暮らせど初期情報が聞こえてこない。人身事故からの復旧にどれくらいかかるのか、まずそれを知らせるべきである。
30分ほど経って人心が再び動揺し始めたときに、さらに的確な第二次情報を流す。その場合に、復旧には思いがけず時間がかかりそうなので、ほかの路線に切り替えたほうがいい、などの具体的な情報がないと、人心は荒れるばかりである。
ある知り合いは大雨で通常30分で着くところを5時間以上かかったことがあったが、その間、まともな情報は一切放送されなかったと言う。
ひところ企業の危機管理の悪さが盛んに言われたが、それは日本全般にはびこっている病癖みたいなものである。
●日本のアキレス腱
ちょっと前に、日本の貯蓄率がアメリカのそれに近づきつつある、という衝撃的な記事を読んだ(01年が6.9%で、米は5%)。収入の少ない高齢者が増えて、可処分所得に占める貯蓄率が下がっているらしい。
日本の景気が上向いているという観測がしきりで、そういう趣旨のシンポジウムも最近出席したが、アキレス腱に爆弾を抱えていながら、楽観的な予測は成り立たないなあという思いである。
