経営の授業? 人生いろいろ
2003/05/01
●世界周遊
ある方が65歳でリタイア。これから2年かけて夫婦2人で世界中を回り、そのなかで気に入ったところに落ち着くつもりだというので、フェアウェルパーティーを開いた。意中の都市はシドニーだが、いままで仕事にかまけてどこにも出かけたことがなかったので、せっかくだから世界遊覧を時間をかけてするそうだ。満面の笑みに、我ら送る側一同羨望のまなざしだった。退職してまた働くのも人生、こうして余生を十分愉しむのも人生、昔流行った歌ではないがまさに" 人生いろいろ"である。
●ファンドマネージャー評価表
金利ゼロでも株に個人投資家が戻ってこない。税制をいじくって誘うが効果がない。それはなぜなのか。
かつて飛ばしや損失補填で機関投資家を守り、個人投資家を袖にしたことが尾を引いているのは、明らかである。そのあと、信頼回復のために何か一つでもしただろうか。投資信託は1千万預けて500万にされてしまう。どこも運用者のランク付けを発表しないし、リスク度を公表しない。株は長期で持てばそれほど損はしないそうだ。それで、魅力的な企業を育てられるなら、箪笥預金より夢があっていい。まず個人投資家が胸をわくわくするような企画が必要である。
●学校運営の難しさ
銀行の副支店長から小学校長に起用されたものの、学校運営に疲れて自殺した一件があった。頼りにしていた教頭が病気で倒れたため、誰にもすがることができず自死したらしい。公立学校という組織には、独特のものがある。日教組、PTA、教育委員会、そして生徒、さらにコミュニティと関係者が複雑で、民間の経営とは様相が違う。
学校のガバナンスには当初から複数で当たるなどの戦略が要るように思う。
●経営を教える?
以前、某テレビ局から自分の卒業した小学校で授業をやってみないかというお誘いがあった。子供におもねって授業をする気がしないし、子供が私に調子を合わせるのも嫌なので、私は即座にお断りをした。いちばんいいのは会社に来て実際を見てもらうことだが、ソフトビジネスの場合、どこをどうやって理解してもらうのか。
それにしても、経営って教えられるものなのだろうか。
●アカデミー賞
『戦場のピアニスト』が監督賞と主演男優賞、脚色賞を受賞した。ただ逃げてるだけの受け身の主人公なのに、絶賛の嵐である。ハリウッドがホロコーストをテーマにしたものに弱いのは分かるが、日本人まで同調するのはなぜなのか。
ホロコーストを扱ったものなら、98年の『ライフ・イズ・ビューティフル』の方が数段に面白いし、よくできている。"奇跡"が全編を流れるテーマである。強制収容所のなかでさえ奇跡があることを子に示そうと明るく振る舞う父親。この設定がぴか一である。
ぜひ見比べて感想をお寄せいただきたいものである。
●10年が1冊に
いまこの『如是我聞』を1冊の本にまとめている。対談も14本転載するご許可をいただいている。93年の3月が第1回の書き出しなので10年を超したことになる。その時々の事件に触発されて書いたものが結構あって、今読むと何の事件だったか思い出すのが難しいものもあるので、細かい注釈を入れている。
それにしてもよく続いたものである。ひとえに熱い読者がいたからだと感謝している。対談者には実にいろいろなことを教わった。それも感謝である。最近、主張が丸くなったと言われる。ちょうどエンジンをまき直すのにいい機会かもしれない。
