私事ベスト3 私はどこにいる?
2002/01/01
●リフレッシュ
ときおり自宅でお茶会を開く。集うのは女仲間数人で、みんなキャリアウーマンばかり。同じ年の女性が多いので、五寅の会と称している。取り合わせを考えながら茶器を揃えるのが楽しい。掛け軸を何にするかも工夫のしどころだ。いちばん最近は「風月の友」という圓能斎の書を掲げた。お菓子選びにも熱が入る。去年はいつにも増して忙しい年だった。そういう渦中にお茶会を開くことは、日常から切り取られたような空間、時間を演出することと同じである。
もちろんその場で生臭い話はいっさい出てこない。花鳥風月に撤しているのが、リフレッシュには最高にいいみたいた。
●サービスの基本
ある雑誌で連載を持っていて、そこでも書いたことだが、最近、タクシーにリストラ組が流れてきて、自分がどこを走っているか分からない運転手が増えている。早めに会社を出たのに、銀座でうろちょろされて、結局、目的地に遅れて着くことになった。「私はいまどこにいるんでしょう」の言葉に、私は切れてしまった。確かにサラリーマン生活が長かったらしく言葉遣いや態度は鷹揚で、よくできている人が多い。しかし、客をまともに目的地まで運べない運転手など陸に上がったカッパみたいなものである。マナーの悪さが指摘され続けたタクシー業界である。やっと改善されるかと思ったら、基礎技術がないでは笑い話にもならない。
●間抜けた話
テロの影響で空港の搭乗手続きに変化が起きた。係員が紙を見ながら「変な荷物はありませんか」などと聞くのだが、「はい」と答えるテロリストはいるのだろうか。最後に「あなたのお名前は?」と聞かれるのだが、搭乗券に書いてある。なんとまあ間抜けた国だろう。方やアメリカでは目、指紋、DNAを個人情報として登録し、テロリストの摘発に利用する法案を議会に提出している(プライバシー侵害の場合は厳罰に処すという付帯条件が付いている)。航空機も改造され、コックピットと客室の間の扉は30センチ以上の厚さにし、外から一切出入りできない状態にする。数人の兵隊が同乗し、事があったら機長に連絡する。機長はすぐに強力催眠スプレーを機内に撒き、すべての人間を眠らせる措置をとる。心臓病の持病を持つ人はあえなく死亡するという(もちろんこのことは搭乗前に客に確認を求めるという)。
実際に襲われた国とそうでない国の違いがあるかもしれないが、それにしても彼我の危機感の違いに愕然とする。
●映画は「花陽年華」
去年の私事ベスト3。
1. 審議会疲れ(官僚の抵抗の強さを思い知る。組織防衛、ならびに既得権益死守。小泉さんの胸中をお察しします)
2. エクササイズ(去年の2月から始めたもので、なかなかハード。インストラクターが自宅にきてくれるので、やらないわけにはいかないというシステムがいい。おかげで体の調子がすこぶるいい。締まり過ぎた(痩せたのではない)ので、「病気じゃないか」と心配する向きもあるが、ご心配なく。
3. イスタンブール(友達と連休に行ってきた。よく言われるように東西の文化が溶け込んでいて、懐かしいようなそうでないような雰囲気が独特。文明の衝突ではなく文化の融合こそをと思う)
映画を例によって試写会と実費で20本近く観た年でもある。なかでベストワンは「花陽年華」である。大人の恋が淡々と描かれる。脚本良し、女優良し。堪能した。昔のフランス映画のよう。
