人の自己実現と働きがい向上をサポート。如是我聞 人材の総合コンサルティング&プロデュースを手掛ける、ザ・アール代表取締役奥谷禮子の連載コラムです。

マイブームの連鎖? アニメ嫌い

2001/11/01

●宮崎駿 VS 松本清張
 アニメ『千と千尋の神隠し』が大評判だ。興行成績もいずれ歴代ナンバーワンの『タイタニック』を抜くだろうと言われている。私はアニメが苦手である。表情のバリエーションが少なく、涙が大きな目玉からぽろぽろっと出たり、内股でちょこちょこ歩いたり・・・・・・やはりドラマは生身の人間がやってこそ、真実味があるというものだ。童話『ハリーポッター』シリーズもすごい人気である。30代、40代の女性も愛読者だという。魔法に目覚めた子供が主人公だというから、私には縁遠いキャラクターだ。中学生ぐらいから漫画とはご無沙汰である。高校の頃には島崎藤村やベルレーヌやランボーの詩を覚えたり、松本清張の『昭和史発掘』などに入れ上げた。人よりマセていたという感覚はない。今昔を比べれば、アンリアルなものに大人も簡単にハマるようになったものだ。
 
●武者小路実篤 VS 相田みつを
 昔は喫茶店や居酒屋のトイレといえば武者小路実篤の色紙と決まっていたが、今は相田みつを全盛である。誰がこんなことを思いつくのか。それも一斉にあちこちで。似たような現象はある種のお家にも散見される。虎の敷物、木彫りの衝立、大判小判あるいは刀の額、神輿のレプリカ、極楽鳥の剥製、曲がりくねってテカテカした木の根株・・・・・・判で押したような悪趣味グッズである。こういうインテリアを仕掛ける専門デザイナーみたいなのがいるのかどうか。自然発生のマイブームの連鎖だとすると、文化論的に面白いテーマになりそう。
 
●老人 VS 壮年健康人
 先日、知り合いがこぼしていた。高血圧で首が回らなくなり、病院に行くと、2時間待たされたという。医者に苦情を言うと、今日はそれでもラッキーな方だと逆に諭されたそうだ。知人は自営で妻と子供一人、月々7万円の保険料を払っている。家族で年にせいぜい数回の診療、投薬。「この払い損をどうにかしてくれないか」と不満顔である。私もほとんど病院に行かない。どうしても必要な場合は自己負担でやっている。病院で待たされるのが嫌なのだ。その知人と一致したのは、10年で数回しか医者にかからない人には保険料を還付すべきだということと、仕事で忙しい人を待たせない別枠診療を施すべきだということである。1日待ち合い室で過ごしても平気な老人と一緒にされてはたまらない。
 医療サービスの充実は、規制緩和が出発点だと思うが、今回の構造改革では主に負担増だけが論議されている。朝の通勤ラッシュと同じで、この国では健康な働き手ほど冷遇される。
 
●狂牛病 VS 米国支援
 狂牛病騒ぎで焼肉屋さんのメニューが豚肉や鶏肉まで広がったそうだ。私は前から肉食派ではないので、ほとんど影響がない。牛の脳味噌や脊髄を刺身で食べるというのが、まずもって信じられない。政府の対応を見ても、この国の危機管理はずさんを通り越して、嘆かわしいほどだ。そんな国だから、トマホーク発射は戦闘行為か否かなどという論争を飽きもせずやるのである。緊急事態対処で事前承認にこだわる神経も分からない。危機には早急にスタンスを明確にすること、問題があれば事後で審議をする。その拡大解釈が徴兵制に結びつくなどと言う人間がいるが、それは為にする意見としか思えない。もっとリアルな話をしようではないか。


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