人の自己実現と働きがい向上をサポート。如是我聞 人材の総合コンサルティング&プロデュースを手掛ける、ザ・アール代表取締役奥谷禮子の連載コラムです。

逆も真なり 愚者の逃げ場

2000/11/01

●ただ女というだけで
 先日、久しぶりにテレ朝の朝ナマに出た。テーマは「女性」で、出席者は女性が大半だった。私のような経営者もいれば政治家もいる、専業主婦もいればフリーライターもいる、それに風俗出身作家もいる。これだけ幅があって何の話ができるというのだろう。たとえば男でホストから経済評論家まで集めて議論は成り立つだろうか。案の定、空中分解したまま朝になった。
 
●親子強制労働
 知人夫婦が別荘に1週間、娘さんの友達7人を泊まらせた。みんな名門一流大学生である。後で親が礼をしてきたのが3人、本人はゼロ。知人が嘆くことしきりである。小中高でボランティアを義務化する話があるが、私は親にも必要だろうと思う。四の五の言わせず、強制させる。仕事や家庭から離れていいリフレッシュになるはずである。
 
●義務と責任
 少年法改正案が衆院を通過した。少年による凶悪事件が起きると、すぐ罰則強化の声が上がる。これは戦後、何度も繰り返されたことだ。もし14歳から大人と同じ罰を課すのでれば、参政権や被選挙権、結婚年齢なども連動して引き下げるのが筋ではないだろうか。よく言うではないか、権利には義務が付随すると。逆も真なりで、義務には権利が付く。
 
●愚者の選択
 五輪柔道でおかしな判定が下されて、一斉に「日本封じ込め論」が噴き上がった。欧米は日本に都合の悪いルールばかり作っている、というわけである。しかし、横暴なルールも多数決で決まれば世界基準なわけである。日本に政治力がないだけの話で、捕鯨問題でしくじったのと同じ構図である。ナショナリズムで気勢を上げるのはけっこうだが、かつて国際連盟から脱退したごとくオリンピンクから脱落しないことを望む。テレビでオリバー・ストーン監督が痛快なことを言っていた。「ナショナリズムは愚者の最後の逃げ場である」
 
●長野迷走
 田中康夫長野県知事の一挙手一投足が話題になっている。田中氏の名刺を折った局長に非難が集まったようだが、彼の意見は正解は正解である。どこの会社の社長が社員に名刺を配って歩くだろう。しかし、社長(知事)に衆人環視のなかで恥をかかせた以上は、断固辞職をすべきだし、悔辱を受けた社長(知事)も即刻その社員(職員)をクビにすべきであった。今回の結末はどっちつかずで、これからの県政の舵取りが思いやられる。
 
●写真好き
 中川官房長官が辞任した。訳の分からない人と会食し、女性と寝室で写真を撮り、電話で警察情報まで流す(この真偽は不明だが)。これから問題はもっと広がりそうだが、気になるのは写真のことである。なんですぐ、どこでもかでも、写真なのか。とくに有名人となると、その傾向が強い。撮るほうも撮られるほうも、とてもバリアフリーである。ある方の家の玄関に入るとすぐ、壁に政治家と手を握った写真が飾ってあった。ラーメン屋さんで有名人のサインが飾ってある気分である。有名人のスキャンダルというと、写真にテープにビデオが三種の神器で、決まってマスコミに流出するのはなぜなのか。何か事があったときは、と狙ってそうしているのか。官房長官はただ気楽に写真に収まっただけなのだろう。いずれその気楽さが命とりになるとは予想だにもしないで。
 
●大人になりきれない
 「人は確かな敵をつくるより、不確かな味方をつくるのが大人の知恵」と言われたことがある。しかし、この不安定な時代には「確かな敵に確かな味方」で行くほうが、かえって安全ではないのだろうか。大人になりきれない私はそう思う。


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