ナンパはボランティア 国内難民
1999/11/01
●貞操観念
ある企業のトップが、近頃の女性の貞操観念はどうなっているのかと憤慨なさった。テレビのワイドショーや雑誌などを見ると、旦那公認のヘルス嬢、子供がいても性産業から離れられない女たち、ナンパで男と付き合うのは「ボランティアで金にならない」と言う女たち。貞操などどこ吹く風。しかし、その一方でたくましいなとも思う。彼女たちの言い分のつに、離婚時の備えに稼ぎを確保しておくというのがある。これを会社員にたとえれば、いつ首になっても対処できるように資格や人脈をつくっておくのと同じである。トップの憤慨につい「終身雇用が揺らげば企業ロイヤリティが下がるごとく、家庭にも家族にもロイヤリティが無くなっているからですよ」と申し上げた。そのトップは妙に納得したような顔をされた。
●これからの保険とは?
カレー事件で林真須美が被疑者として逮捕されたあと、調査会社が保険加入者に「この種のことを経験したり、聞いたりしたことがありますか」と尋ねたところ、何件か具体的に上がったという。身内に保険を賭けて密かに殺すというのは"ある話"だなと思った。しかし、実際に母親が愛人と企んで実の子供を殺したのには驚いた。夫殺害の次に来るのはこれかと暗澹とした。そもそも子供が死んで親に保険金が入ること自体がおかしい(育てた分の投資回収ということなのか)。もともと保険は人のリスクに賭けるもので、発想がネガティブなことはずっと変わらない。そこに邪な考えを抱くもとがありはしないだろうか。もっとポジティブに、たとえば歳を超えたら1年ごとに割増保障がもらえる、といった発想も要るのではないだろうか。だいたい今は歳で傷害や疾病などの保障打ち切り、歳を超える保険はぐんと掛け金が高くなる。高齢化と合わないことはなはだしい。
●オウム信者の人権
方々の自治体がオウム信者ということで、住民票移転を拒否し、信者の子供というだけで、入学が拒否されている。あちこちでトラブルを引き起こし、その挙げ句犯罪を犯した集団である。事前に排除しておこうという気持ちも分からないことはないが、過剰反応なことは確かである。少なくとも基本的人権は保証される必要がある。極端なことを言えば、たとえば原発の受け入れ地に補助金が出るように、オウムを引き受ける自治体にはその種の補助金を出すような措置も必要ではないだろうか。彼らを国内難民化させれば、また過激な恨みを胚胎する可能性がある。組織としてはちゃんと潰すか、潰さないなら受け入れ法や有効な規制法を考える。それが法治 国家というものではないだろうか。
●補導のオジサン、オバサン
渋谷に日本版シリコンバレーの卵が生まれつつある。その名もビット(ビターで渋い)・バレー(谷)。主に東大、慶応、早稲田系の学生がここに集って、明日のメガ・ベンチャーを目指している。面白いのは、早稲田がいないと組織づくりがうまくいかないという話である。なんとなく大学の特徴が出ている話で、先端バレーといえども、その呪縛から逃れられないのが、微笑ましい。 何人かで渋谷散策をしようということになり、ゲームセンター(子供たちはゲーセンと言う)に入り、車のシミユレーションをしたり(これが面白い。本物の飛行機に乗って操縦してみたいと勘違いする人間がいるのも分かる)、UFOキャッチャーをしたり、楽しんだのはいいが、はた目には補導に来たオジサン、オバサンという雰囲気だったろうと思う。時代の風を感じるのも、なかなかシンドイことである。
