アニータにも一面の真理 少子高齢の風景
2002/09/01
●舌も体もいい加減
青森の住宅供給公社が外務省にアニータさんの資産回収の協力を要請した。確かに彼女は破廉恥だが、何年も不正を見抜けなかった公社が悪い、という論理にも一理あることは確かである。今回の日本ハムの事件でも、監督官庁である農水省の誰にもお咎めがないというのはおかしな話ではないか。監督不行届は明らかなのだから。どうして食肉がらみの不祥事が続くのか考えてみた。もちろん検査体制の甘さや、官民馴れ合いとか、体質の古さとか、さまざまにあると思うが、第一には人間の舌も体もそれほど敏感ではないということである。外国産を国産と偽ろうと、多少日数が経っていようが、我々には見抜く力がない。電気製品などであれば、不良品はすぐ分かる。あるテレビ番組で超高級品と安物を目隠しで食べて当てるというのがあったが、食通と言われる人が何度も間違っているのに呆れたことがあった。それほど我々の味覚はいい加減である。だからこそ余計に食品を扱う会社は自分に厳しくなければいけないはずだ。誤魔化しが利くから誤魔化さない、それが道義というものではないだろうか。
●バカ親、子が哀れ
夜中にゲームセンターに子ども連れで遊びに行き、車に残したまま遊んでいる間に、子どもが殺された事件があった。一報を聞いて、えっ? と思った。夜中に子どもを連れてゲームセンターへ? それにしても母親は?あとで、母親は別の友達と食事に行っていたと報じられた。えっ?夜中に食事?若い父親が葬儀のあとにコメントを出したが、それもえっ?だった。「前はゲームセンターのなかに子どもを置いておけたが、厳しくなったので車に入れるようになった」。まるでゲームセンターが悪いという口振りだった。こんなバカ親の子に生まれたのが不幸だったとしか思えない。
●突っ込み不足
田中真紀子さんが議員辞職をした。突然のことなので号外も出たらしい。ほんとに人騒がせな人だ。無所属では議員立法ができないのが辛い、と辞める理由を述べていたが、これはウソで、20人の賛同者を集めれば国会に提出することは可能らしい。マイクを向けていた記者連のうち誰か一人でいい、「ウソつかないでください」のひと声が欲しかった。少なくとも政治を専門にしているのであれば。きっとそういうマスコミの甘さが、不必要に真紀子人気を煽ってきたのである。
●親の自立
テレビのクイズ番組で、銀行員を辞め、ティーカフェを開くために修業をしている青年が登場した。付き添いは母親で、当初、彼の転身に反対だったらしい。亡くなった夫が銀行員だったので、息子にもその安全な道を歩み続けてほしかったのだそうだ。司会者もゲストも判で押したように「事業を成功させてお母さんに楽をさせてあげなさい」と強調する。息子もそれに頷いている。母親も当然のごとく、それらの言葉を聞いている。でも、それっておかしくはないだろうか。ありていに言えば、その母親は夫にすがり、その夫が亡くなると息子にすがっているのである。本来、息子が心おきなくチャレンジできるように、自活して身軽にしてやるのが、親の役目のはずである。違うだろうか?
●ワンシーン
阪急電車で見かけた忘れがたいシーンがある。席がほぼ埋まっている車内に老婆が乗り込んできた。その老婆に席を譲ったのが、お爺さんである。ただそれだけの光景なのだが、心から離れない。でも、この光景もいずれ日常茶飯事のものになっていく。
